2008/07/21

寝苦しい夜に思ふ彼是

近所のスーパーで 可愛らしいラベルのワインをめっけた
わたし好みである甘口の白ワインです

がきんちょの頃に持っていた絵本では 錘に指を刺してしまったお姫様の絵がなんとも痛々しくて(右手の手首を左手でつかんで、悲愴な表情で天を仰いでいた)それを見るたび 背中だのみぞおちだのがゾワゾワして そのせいか物心つくまで「眠り姫」がどんなお話だかはっきりわからなかった
お姫様が眠りにおちた15才 わたしの場合
まだまだ子供でいたいのに 心とはうらはらに身体はどんどん成長していく
まだまだ子供なのに 種によって母親になることができる
まだまだ子供である自分に どうしてそんな機能がもう備わっているんだろう
自分の意思では どうにもできない力で外に押し出されていくなんて不条理だ
「女」になることも嫌だ かといってがさつで気の利かないクラスメイトの男子を見れば「男」に憧れることもない
わたしはこの先いったいどうなりたいのか 云々
15のとき、初めて「これ以上大人になりたくない」と思った
心と身体のバランスが取れるまで 眠っていたい 眠り姫になりたいな、と
そして 初めて「無常」を思い知る
15のとき

少し前に見たドイツ映画「ブリキの太鼓」 わずか3才で大人になることを拒否するオスカル君の話
見かけはいたいけな子供でありながら 徐々に性に目覚め ギラギラと女性を見つめるその眼差しも恐ろしかったが
海辺で村人が 馬の頭を餌にしてウナギを山ほど釣り上げていたのも ショッキング もしあれを目の当たりにしたら 昨今値上がりして手が届かなくなった国産ウナギをごちそうしてやると言われても さすがに遠慮してしまうだろうな ははははは